T&Iアソシエイツ代表の田中薫です。
購読者数の減少が言われる新聞ですが、私は長年にわたる新聞好きです。
しかも、いまだに「紙」派です。
老後、仕事も趣味も何もできなくなったとしても、最後の楽しみは新聞だと思っているくらい、新聞が好きです。しかも、ずっと紙で読みたい。
好奇心旺盛な私にとって、なくなっては困るもののひとつです。
新聞協会などが「新聞アンバサダー」を求めていらっしゃるなら、お声かけ頂きたいくらいです。
購読者減少の理由の一つに、新聞の魅力が十分伝わっていないこともあるのではないかと考え、今回のテーマとしました。
最近は、スマホやタブレットで新聞の電子版をお読みになる方も多いようです。
スマホやタブレットの電子版は携帯性や保存性(検索・再利用に便利)などに優れますが、端末の大きさの問題もあり、どうも読む範囲に制約を感じます。
また、ネットのニュースで十分だからと、新聞の購読自体をしない方も増えているようです。
ネットは気になったことや不足する情報を探すのには便利ですが、ネットのニュースだけではやはり触れる情報の種類が少なく感じます。
紙の新聞の良さは、一覧性と網羅性、そして「未知との遭遇」が楽しめることです。
忙しいときはパッとめくって、見出しだけ一通りチェックして、後で気になった記事を読むことができます。
政治・経済・社会・科学技術・文化・スポーツなど、実に幅広い分野の情報が掲載されています。しかも、多過ぎず、少な過ぎずの分量で(深掘りしたければネット検索でOK)。
また、たまたま目にした記事をきっかけに、新たな知識を得たり、関心を持ったりすることができます。まさに未知との遭遇。
偶然目にした記事から自分の興味が広がっていくというのは、紙の新聞ならではの魅力だと思います。
私が新聞を好きになったのは高校時代からです。
高校時代は暇に任せて、全国紙からスポーツ紙まで複数の新聞を読んでいました。
複数紙を読むことのメリットは、各新聞社の特徴や傾向がわかること、多面的に物事をみることができること、情報の妥当性を見極める訓練ができること、多様な意見に触れることで自分なりの意見を形成する訓練ができることです。
同じ日でも新聞によって一面記事が違ったり、同じニュースでも報道のスタンスに違いがあったりするからです。
大学時代は就職を意識して経済紙を購読しましたが、あまり楽しく感じませんでした。
経済紙が面白くなったのは社会人になってからです。
ベンチャーキャピタル時代は多種多様な業種を対象としていました。
このため、いろんな業界・技術、それらを取り巻く環境についてある程度知っておく必要を感じました。
新聞はまず最初の情報源としてもってこいでした。
在職していた会社では業界紙など複数の新聞を購入していたので、興味に任せて読んでいきました。
読み始めの頃はよくわからなくても、実際に仕事の担当先が増えるにつれ、読む記事は増え、徐々になんとなくわかってくることも増え、関心が広がって段々面白くなっていきました。
新聞を存分に楽しみ、活用するには、読み方が大切です。
ただ漫然と単なる情報として眺めているだけでは、あまり意味がありません。
記事を見て、想像したり、考えたり、推測したり、予想したり、比較したり、検証したり、といったことができると、新聞はどんどん楽しくなります。
ビジネスパーソンは皆やっていることと思っていたら、どうもそうではないようです。
そのことにサラリーマン時代のある幹部クラスの会議で気づきました。
忙しくて最低限しか読めていなかったり、読み方が浅くて単なる情報をキャッチしただけに終わってしまい、考えや行動に繋げられていなかったり。勿体ないですね。
不確実性の高まる時代だからこそ、過多なネットの情報に翻弄されることなく、自らの視点・視座をもちたいですよね。
今や、自分の属している会社・業界・国だけで物事を捉えられる時代ではありません。
横断的な取組が求められる現代にこそ、新聞は使い方次第で戦略を考えるにも有効な情報媒体だと考えます。
昔は若手を中心に社内で新聞を通じた勉強会が開催されたりしたそうです。
新入社員研修や若手・幹部の勉強会にも是非、ご活用頂きたいツールです。
新聞の読み方・活用の仕方にはコツがあります。
社内に慣れた方がいらっしゃらない場合はお気軽にご相談ください。
新聞を通じた研修やワークショップなども対応可能です。