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アンケート用紙からも窺える企業の本気度

 

T&Iアソシエイツ代表の田中薫です。

 

以下によくあるアンケート用紙から、ややラフに一部抜粋してみました。

 

何か気になる点はありますでしょうか?

 

 

~ 1.本イベントについて

 

 ・内容・・・・1.とても良い、2.良い、3.普通、4.やや不満、5.不満

 ・時間・・・・1.とても良い、2.良い、3.普通、4.やや不満、5.不満

 ・場所・・・・1.とても良い、2.良い、3.普通、4.やや不満、5.不満

 ・案内・・・・1.とても良い、2.良い、3.普通、4.やや不満、5.不満     ~

 

 

設問と回答例の表現に多少の違いこそあれ、上記のようなアンケート用紙はよく配られています。

予め用意された回答に〇をつけるだけで済むので、早く済んで便利ですよね。

 

この夏、集中的に各社のイベントやセミナーに参加しましたが、大手企業の開催するものでも、このようなアンケート用紙を沢山見かけました。

 

個人的にはこの段階でアンケートに答える気持ちはちょっと萎えます。

 

最初から良い評価を得ることが前提になっている、ただアンケート用紙をいつも通り配っているだけでこの会社は結果を本当に活かそうと考えていないのではないか、と思ってしまったりします。

 

およそ人の視線は左から右へ向かうこと、右利きの人が多いこと、余程の不満がない限り悪い評価はつけにくいことなど、顧客の視線・状況・心理等を考えれば、一番左側にプラス評価となる回答(「とても良い」)を持ってくるだろうか?

 

顧客から自然に正直な感想をもらいたい、それをヒントに改善したい、と本当に思う企業であれば、回答の順番を逆(一番左側が「不満」、左から不満→普通→良いの順)にするのではないか?と思うのです。

 

一方、先日、友人に連れられてランチで入った小さなお店。

狭い店内ではありましたが、なかなかの繁盛店のようでした。

 

とても気持ちの良い接客をしてくれた女性スタッフから、アンケートを頼まれました。

このアンケートが私には納得できるものでした(以下、一部抜粋)。

  

 

1.お店の評価について

 

 ・味・・・・・・・1.不満、2.やや不満、3.普通、4.良い、5.とても良い

 ・ボリューム・・・1.不満、2.やや不満、3.普通、4.良い、5.とても良い

 ・提供時間・・・・1.不満、2.やや不満、3.普通、4.良い、5.とても良い

 ・値ごろ感・・・・1.不満、2.やや不満、3.普通、4.良い、5.とても良い   ~

 

 

設問から回答例まで、アンケート用紙全体から真摯に顧客の声を聞こう、改善していこうという本気度が感じられ、自由回答欄にも丁寧にコメントを書いてテーブルに置きました。

 

このお店が激戦区で繁盛している理由が少しわかったような気がしました。

 

大きなイベントやセミナーの開催では準備に大わらわになるでしょうし、定例開催であればついつい例年通りのアンケート用紙にもなりがちでしょう。

しかし、それぞれ開催においてはその目的や期待する効果が本来あるはずです。

 

開催そのものが目的化してしまっては本末転倒。やりっぱなしや自己満足に陥ってはいないか、多くの時間とコストをかけるイベントやセミナーであれば尚の事、顧客アンケートも丁寧に見直して頂ければと思います。